バイト語とはファミレスやコンビニのバイト君たちの口にする妙なビジネス語のこと.たとえば「五千円からお預かりします」などがある.著者はバイト語の特徴として,敬語の誤用,敬語の過剰な組み合わせ,文意のぼかしがあるといい,数々の例示をして説明する.本当にこんなことを言う人間がいるのか?というものもするが大多数は納得できる.さらに文字で読むと何と言うことはないものの自分でも気をつけていると使っている物もある.たとえば「ん」.これは撥音便の一般化で「田中は席を外しておりますんで,折り返しお電話差し上げたいんですが」などと使うがビジネスではふさわしくない.
シンプルかつ直裁にものをいうこと.これが本書の提要であり,冒頭のチェックリストで一つでも引っかかるものがあったら一読しておくほうがよいだろう.ただし「ビジネス語」も国語的には妙なものがあるということは必ず意識の片隅においておかないと教養のないビジネス馬鹿だと思われるので注意が必要だろう.