纐纈厚『侵略戦争―歴史事実と歴史認識』

本書はいわゆる「自由主義史観」の誤りを歴史学の研究者の立場から論難したものである。

当然、若干「左」のにおいはする。沖縄戦における軍中央の無為無策、住民を持って楯とする戦略を批判するのは正しい。だが一方で「右」の人々によく引用される太田実少将の「沖縄県民斯ク戦ヘリ。県民ニ後世格別ノ御高配ヲ」について一言も触れないのは誤っている気がする。

とにかくアジア・太平洋戦史にかかわる言説を整理するには有用であろう。

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