蘇叔陽(竹内実訳)『人間周恩来―世界に慕われた<大地の子>』

出版年をみていただければわかるとおり、周恩来の没後すぐに出た本である。非常に人民的で、周恩来はまるで神様のようだ。子供向けだそうで、日本でもよくある偉人伝系の書き方といえばわかるだろうか。

私は周恩来は好きだが、ここまで賞賛し、文革での弱さや毛澤東を規制できなかった点などが見落とされるのはいかがなものかと思う。もっとも子供向けの本に、それを求めるのは酷ではあろうが。ある意味、中国的な革命観や統治者観は伺える。人民共和国の建国者にしたところで、やはり王朝の創始者と同様の英雄なのだ。

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