イラン人なら誰でも知っている『王書』の抄訳。王書は神話部、英雄部、歴史部の三部に大まかに分かれる。そのうち本書は神話、英雄物語を収める。同様のものに東洋文庫の黒柳訳があるが、こちらはさらに端折ってあり、手軽だ。まぁまぁ面白いし、ペルシア語は美しいものや凛々しいものを何にたとえるかとか、そういうところを知ることができる。古典として読んでおいてよいだろう。難点はもとが叙事詩であるのに韻文的味わいがほとんどないということである。しかし歴史部を誰か訳してくれないか、と思う。
イラン人なら誰でも知っている『王書』の抄訳。王書は神話部、英雄部、歴史部の三部に大まかに分かれる。そのうち本書は神話、英雄物語を収める。同様のものに東洋文庫の黒柳訳があるが、こちらはさらに端折ってあり、手軽だ。まぁまぁ面白いし、ペルシア語は美しいものや凛々しいものを何にたとえるかとか、そういうところを知ることができる。古典として読んでおいてよいだろう。難点はもとが叙事詩であるのに韻文的味わいがほとんどないということである。しかし歴史部を誰か訳してくれないか、と思う。