藤本ひとみ『聖戦ヴァンデ』

フランス革命という、自由・博愛・平等といったパリでの流れだけを見ることを告発する。専門書では『ヴァンデ戦争』があるが、こちらはかなり読みやすい歴史物語である。なぜパリの市井の少年が、革命の情熱に燃えてしまった瞬間に地方粛清ということを思いつくのか。革命という劇薬が、少数の犠牲を闇に葬り去った陰の部分をえぐる好著である。

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