産業革命期イギリス、成長期アメリカ、高度成長期日本の三つの経営革命のエピソードをつづる。そこには必ず個人の力によるイノベーションがあった。そして革命が起きる時と場所には、ある産業に対して必要ないくつかの技術の間に進度の不均衡が生じていたという。つまり、繊維産業でつむぎが早くても、織りが遅ければ、織りのスピードがボトルネックとなりつむぎのスピードを相殺してしまう。だからそこで織りも速くしようとする力学が働くというものだ。これをイノベーションの要因として考察してゆく。
経営のイノベーションにかかわる概説的エピソード集として考えを整理するのに有用。