さわやかに晴れ渡っている。まだまだ寒いが、陽光にすこしの柔らかさと暖かかさが加わったように思えた。そう、あの春が来る。別れと出会い、変わるかも知れない明日、変わらない明日、いいようのない覚束なげな季節が。そのようなことを思わせる時季になった。
これからはじまる大学入試。いままで四年間、三田の正門前にたって新聞を配ってきた。いろいろな顔をみた。それが期待をこめた明日へのステップだったのかどうか、私は知らない。しかしまたその後に春が続くのは疑いのない事実だった。
志貴皇子の「岩走る垂水の上の早蕨のもえいづる春になりにけるかも」という歌に共感し、心をこめて待ちわびたあの春、白州正子の『花にもの思う春』を読んで、変化に期待をこめて想像したあの春は、もう二度とやってこないのかもしれない。いまの私には、冬が終わる、それが不安なのかもしれない。
いま思えるのは、べたっとしたパステルの空、あいまいな季節。そんな春だけ……。
- 15時現在、日曜日分のMozilla Nightlyは出ていない。ちょっと心配のなのでBugzillaを検索してみる。
- エスワイルのモンブランは栗だから当然秋しか出ない。当然なのに失念するとは。季節感のない世界を生きているものだ。