黒羽清隆『太平洋戦争の歴史』

原著はもう20年近く前になるが,改めて読むと非常に良い本である.新史料の発掘で揺れ動く細部にはあまり立ち入らず,確定した事実を歴史として描き出す堅実な手法をとる.文がすばらしい.戦争まわりの書物はどうにもイデオロギー性の強い書物になりがちだが,本書は通史として冷静な視角,しかし広い視角が社会全体に注がれており,信頼に値する.


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