あっというま。江戸期に書かれた里見氏の地方軍記ものだが、表現の拙劣さと事実誤認が痛々しい。次は研究書を読む予定。
カテゴリー: 読了
尚樹啓太郎『ビザンツ帝国史』
田中義成『豊臣時代史』
解説にもあるとおり確かに未完の感。小田原攻囲戦がもっとも盛り上がる場所か。これほど氏規をほめている本も珍しいかも。
山本文織『きっと君は泣く』
時間に対するコストパフォーマンスが悪すぎなのはよいとしても、話が暗いし、主人公が結局どうなったのかわからず、欲求不満気味。裏に心が洗われるとあるが果たしてそうか?
田中義成『織田時代史』
C. ヴェロニカ・ウェッジウッド(瀬原義生訳)『ドイツ三十年戦争』
三十年戦争を概説的、かつ物語的にボリュームをもって読める日本語の本は、実はほとんどなかった。ウェッジウッドのこの本は、ずいぶん前から読みたかったのだが、英語を読む労力をおしんでいた。人物描写といい、背後の思想的枠組み、そしてそのバランスといい、戦間期に書かれたものとは思えない。充実した読後感である。
田中義成『南北朝時代史』
大正年間に書かれた本で文語文だが、すこぶる読みやすい。私は『足利時代史』を持っているのだが、なんで一緒に買わなかったのか悔やまれる。いまや絶版である。このやたらと込み入った時代を対象として、かつ当時の政治体制下で、これほどまとまった本があったというのがすごい。南北朝正閨論における著者の態度は史家の鑑。