皆川博子『瀧夜叉』

将門と土御門陰陽道をリンクさせた発想としてはありがちな書。ただし皆川らしくその耽美性,おどろおどろしさ、純友の息子の青春などといった要素を織り交ぜる点は巧妙である。これも今川とものと同様、静岡新聞社への連載。村山修験、富士修験の抗争を描き出す筆は、網野的なものを感じさせる。

赤木完爾『第二次世界大戦の政治と戦略』

推薦版.第二次世界大戦における外交の鞘当て、戦略と政治と外交の三つ巴、同時に連合国の思惑。大変に複雑な、第二次大戦を政治と戦略の観点から読み解く。大変おもしろい。